神殺しのクロノスタシス7〜後編〜
…すると、クロティルダが口を開いた。

「…我が姫。お前はどうしたい?」

「え?」

顔を上げると、クロティルダが物凄く真剣な顔で。

じっと、私を見つめていた。

…ほぇー。

「『すべきこと』でもなく、『正しいこと』でもない。…お前の望むことは何だ?」

「…クロティルダは、自分のすべきこと、をしなきゃいけないんじゃないの?」

「その通りだ。…だが、それはもうやめた」

やめた?

「天使としての使命だからでもない。それが役目だからでもない。自分の望むままに生きる。…そう決めた」

「…そっか」

「そして俺の望みは、お前と共にある。だから、お前のしたいことを教えてくれ」

私の望みは、クロティルダの望み。

…私、ずっと待ってたよ。

クロティルダがいつか、そう言ってくれることを。

「私も同じだよ、クロティルダ」

私も…クロティルダと同じことを望んでいる。

「私も、自分の望んでることをしたい。…ジュリスに会いたい」

「そうか」

「ルーデュニア聖王国に帰りたい。みんな一緒に帰りたい。ジュリスと、クロティルダと…キュレムやルイーシュも、みんな一緒にいて…。…そんな毎日に帰りたい」

それが、私の望み。

それさえ叶えられるなら、私は神の力なんて要らない。

「我儘だとしても…」

「…いいや、我儘などではない」

クロティルダが頭を振って、そう言った。

「望むままに生きれば良い。…生まれてきたからには、お前は自由だ」

「クロティルダ…」

「お前の望みは、俺の望みだ。…だから、俺は自分の望みを叶える。思うがままに、自分の生きたいままに生きる」

クロティルダは、私の頭にぽん、と手を置いた。

「それは、お前が教えてくれたことだ」

「…うん」

「何も憂うことはない。心配することはない。迷うことも、戸惑うこともない。分かったな、…我が姫」

「うん、ありがとう。…クロティルダ」

クロティルダが心配するなって言うから、私、心配しない。

…そうだな、パピッコでも食べて、待ってることにするよ。
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