神殺しのクロノスタシス7〜後編〜
「ベリクリーデ!起きろ」

俺は、女性隊舎にあるベリクリーデの部屋に突撃した。

相変わらず、部屋に鍵をかけるということをしない女である。

間違いなく、この時間ならベリクリーデは眠っているはずだが…。

「…!?」

ベリクリーデの部屋に飛び込むなり、俺は目を見開いた。

「…ジュリスか」

「お前っ…!ここで、何やってんだよ…!?」

ベリクリーデのベッドに、我が物顔で腰掛けている男がいた。

クロティルダである。

何?こいつ。

しかもあろうことか、クロティルダは、ベッドに腰掛けて、膝の上にベリクリーデの頭を乗せていた。

ベリクリーデは、クロティルダの膝を枕代わりにして、クロティルダに甘えるようにくっついて、すーすーと寝息を立てていた。

だからこれは、所謂。

膝枕、という状態であって…。

…ピキッ。

ちょっと誰か、ピンセットを持ってきてくれ。

このクソ天使の羽根、1枚ずつ毟ってやる。

ハゲ天使にしてやる。

「…お前、こんなところで何やってんだ?」

「どうした、ジュリス。…随分怒っているようだが」

「別に怒ってねーよ。なんでいるんだ、って聞いてるんだが?」

質問に答えろよ。

「何故と言われても…。…我が姫に呼ばれたから、来ただけだ」

クロティルダはそう言いながら、クロティルダの「姫」…ベリクリーデの顔を見下ろし。

まるで恋人にでもするように、そのさらさらした髪を指で掻き分けた。

くすぐったそうに、僅かに身を捩るベリクリーデ。

…イラッ。

「そうしたら、いつの間にか眠ってしまった」

「…」

あぁ、そうかい。

つまりお前は、ベリクリーデに呼ばれたから来ただけで、自分は無罪だと、そう言いたい訳だな?

…やっぱりピンセット持ってきてくれ。1枚ずつ羽根を毟っ(ry。

「だが、ジュリスが来たなら丁度良い」

「は?」

「我が姫を頼む。俺はこう見えて、夜は忙しい。…生贄達を『裁定』しなくては」

「…」

…なんのことか、知らないが。

…とにかく。

「…分かった。ベリクリーデは引き受けるから。お前は自分のやるべきことをやれよ」

「感謝する」

「あと、今度来たら羽根毟るから、覚えておけよ」

「…。…何故?」

黙れ。はよ行け。
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