神殺しのクロノスタシス7〜後編〜
クロティルダが、ふわりと姿を消してから。

「ベリクリーデ、寝てるところ悪いが、起きろ」

俺は、眠っているベリクリーデを揺り起こした。

「ん〜…」

余程、クロティルダの膝の上は寝心地が良かったのか。

すっかり夢の中だったベリクリーデは、俺が肩を揺すっても、なかなか起きなかった。

…それどころか。

「ほら、ベリクリーデ。起きろって」

「むにゃむにゃ…。くろってぃ…。…そこはらめ〜…」

「おい、お前。どんな夢見てんだよ」

クロティルダ、あいつ。

ベリクリーデになんかしたんじゃなかろうな?

もし本当なら、もう本気であいつの羽根をピンセットで1枚ずつ(ry。

「起きろ、ほら!ベリクリーデ」

「んにゃ〜…。じゅりしゅ…」

猫みたいな声出しやがって。

「じゅりす〜…。そこ…だめ、だって…」

「おい、何の夢を見てんだよ。俺に対する風評被害だぞ。早く起きろ!」

「あ、だめ…食べちゃ…。食べちゃだめだよ…それは…」

「こら、ベリクリーデ!深夜とはいえ、小さいお子さんが聞いて、」

「…おさしみ…」

「刺身…!?」

…なぁ、ベリクリーデ。

俺、お前の夢の中で何やってんの?…切実に知りたいんだけど。

とにかく、これ以上ベリクリーデを寝ぼけさせる訳にはいかない。

「ベリクリーデ!こらっ!起きろ!」

「むぎゅっ…」

最終手段として、俺はベリクリーデの鼻を摘んでやった。

すると、ようやく。

ベリクリーデは、とろんとした目を開けた。

…やっと起きたな。

「ベリクリーデ。起きたか」

「ふにゃ…。ふわぁぁ…」

…女の子が、仮にも異性の前で大あくびはやめなさい。

眠たそうな目を、ごしごしと擦ってから。

ベリクリーデは、きょとんとしてこちらを見つめた。

「…あれ?あれ?ジュリスだ」

「あぁ、おはよう」

って、まだ深夜だけどな。

「おかしいな…。クロッティが一緒だったはずなのに…」

「あいつは帰ってもらったよ」

つーか、追い返した。

「お前な、軽率にクロティルダを部屋に呼ぶんじゃない」

「え、なんで?」

なんでって…そりゃあ、お前…。

…俺の口から言わせるな。

「…とにかく、起きろ、ベリクリーデ。一緒に来てくれ」

「??何?」

「実は、俺にもよく分からないんだ。だが、シルナ・エインリーが大隊長達を集めてくれって言ってきたらしい」

「ふーん、そっか…。…きっと、会いに行くんだね」

は?会いに?

「…ベリクリーデ?」

「分かった。じゃ、一緒に行こ、ジュリス」

「?あ、あぁ…。…って、その前に着替えなさい」

「ふぇ?」

寝間着じゃないか、お前。

ふぇ?じゃないんだよ。

あぁ、もう…。

ちょっと待っててくれ、シルナ・エインリー。ベリクリーデに服を着せたら、すぐ行くから。
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