神殺しのクロノスタシス7〜後編〜
更に、令月とすぐりは、銀色の画用紙を取り出し。

その画用紙を、丁寧に小刀を使ってカード状に切り取り。

本物の魔導師証明書を模して、偽名を記入した。

最後に、そのカードをカードホルダーに入れて、首から下げると。

「はい、これで即席魔導師証明書の完成」

証明書の偽造は犯罪です。

…なんて、野暮なことは言わないでね。

今は必要なことだから。…世界の平和の為に。

「どうかな?それっぽく見える?」

「…うん。一見しただけじゃ、本物とまったく遜色ないね」

恐らく二人共、この事態を想定して、証明書を偽造する練習をしていたのだろう。

本物の魔導師証明書と、まったく変わらない。

注意してよく見たら、証明書の材質の違いや、ペンのインクの滲み具合で、偽物だと気付くかもしれないが。

一見しただけでは、ましてや、通りすがりにちらりと見ただけでは、絶対に偽物だとは分からないだろう。

これなら、街の中を歩いても不審がられることはない。

「マシュリのも作ってあげようか?」

「いや、僕は猫の姿に『変化』するから、大丈夫」

「あ、そっかー。良いなー、簡単に変装出来て」

そうだね。ありがとう。

僕はポンと手を打って、くるりと一回転。

慣れ親しんだ、いろりの姿に『変化』した。

さぁ、これで大丈夫だ。

さすがに、猫に証明書は必要ない。

「それじゃ、行こうか。…ファニレス王宮に」

「れっつごー」

こうして。

完璧な変装をした僕達、ナツキ皇王救出部隊は、王都ファニレスに足を踏み入れた。
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