神殺しのクロノスタシス7〜後編〜

side羽久

ーーーーー…こちらは、アーリヤット皇国の市街地。

街中で、偶然出会ったブラマンジュに連れられ。

俺とシルナは、アーリヤット人の魔導師を装って、キルディリア総督府の本部にやって来た。

…今更だけど、ちょっと緊張してきた。

ブラマンジュは気づいていないようだが。

俺達は…と言うか、シルナは、そこそこの有名人だから。

イシュメル女王に謁見する前に、総督府にいる誰かが、シルナの正体に気づくんじゃないかと。

内心、めちゃくちゃハラハラしてる。



…しかし。

「こちらでお待ち下さい。すぐに女王陛下がいらっしゃいます」

「あ、ど、どうも…」

俺達は、本部の来客室のようなところに連れて行かれ。

そこで待つように、ブラマンジュに言われた。

…マジか。

すぐ会ってくれんの?…本当に?罠じゃないよな?

イシュメル女王に直談判する為に、俺もシルナも、多少荒っぽい手段を使うことも覚悟していた。

そうでなきゃ、敵の総大将に会うなんて無謀なことは出来ない。

…はず、と思っていたのだが。

まさか、こんなに上手く行くとは…。

…。

…ともあれ、これはチャンスである。

折角、ここまで無血で、無傷で来られたのだから。

イシュメル女王に直接会って、何とか説得を試みる。

これが一番…平和的に、誰も傷つかずに事を収められる、唯一の方法だ。

…すると。

「女王陛下のおいでです」

ガチャッ、と客室の扉が開き。

俺は、思わず身体を硬直させた。
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