神殺しのクロノスタシス7〜後編〜
エンディング

sideキュレム

ーーーーー…シルナ学院長と羽久達御一行が。

マシュリタクシーに乗って、派手にルーデュニア聖王国に帰還する、その少し前。

俺とルイーシュは、母校であるイーニシュフェルト魔導学院に訪問していた。





それにしても、母校って不思議なもんだよな。

卒業してからも、もう何度も、しょっちゅう来ているはずなのに。

来る度に、「あー懐かしいなぁ」と思ってしまう。

…歳かねぇ?

とはいえ、俺達が通っていた頃のイーニシュフェルト魔導学院と、今のイーニシュフェルト魔導学院は、違うところも結構ある。

…例えば。

「見てくださいよ、キュレムさん。あれ」

「ん?」

ルイーシュが、校舎裏の広い敷地を指差した。

「一面の畑ですよ」

「うわっ…。…ほんとだ」

畑…令月とすぐりが所属する、園芸部の畑である。

…なんか、前に来た時より、拡張されてないか?

美しく、整然と耕された畑には、等間隔に畝が作られ、そこにたくさんの野菜が植えられていた。

家庭菜園をガチってる人の庭、って感じ。めっちゃ本格的。

俺達が在学中の頃、園芸部なんてなかったはずだけど…。

確か、最近園芸好きの生徒が入学して。

その子が園芸部設立を強く嘆願して、学院長が許可を出し、学院の敷地内に園芸部の畑を創設。

そこからまず、すぐりが園芸部に加入し。

それから、令月も遅れて入部することになったそうだが…。

…今となっては、「これ、本当に園芸部の規模か?」と思うほどに、拡張されている。

きちんと、動物除けの柵(恐らく手製)で囲って…。

…。

「この学校さ…。いつか魔導学院じゃなくて、農業学校に変更されるんじゃね?」

「その可能性はありますね」

「…マジかよ…」

いつか、イーニシュフェルト農業学院、とかに変わるのかね。

その時、学院長はどうなるんだろう。クビ?

母校と恩師の行く末が心配だよ。

まぁ、何があっても、この学校が俺達の母校であることに変わりはない。

でも、出来れば母校は自分の知る母校のままであって欲しい…と思うのは、俺の我儘かねぇ?

などと考えながら、イレースちゃんがいるであろう、職員室に向かうと…。

「…ちわーっす。元気か?様子見に…」

「あぁ、忙しい忙しい」

「…」

イレースちゃんは、自分の机に向かって。

両手をフル稼働させ、右から左へ、紙にペンを走らせている真っ最中だった。
< 322 / 328 >

この作品をシェア

pagetop