神殺しのクロノスタシス7〜後編〜
「お帰りなさいませ。…お早いお帰りでしたね」

ハリボテのファニレス王宮に戻ると。

例の男性案内人が、笑顔でお出迎えしてくれた。

…どーも。

「お疲れのようですね。やはり、ガイドをつけた方が…」

「いや…それは、別に良いんだけど」

そうじゃなくて。

「そうですか?…何か気になることでもありましたか?」

「…気になること…って言うか…。…入ろうとした飲食店で、門前払いを食らって…」

「えっ…」

えっ、じゃないんだよ。

「俺はただ…お粥を食べてみたかっただけなのに」

「お粥…?お粥のお店なんて、ファニレスにありましたか…?」

「青い証明書の人達がたくさん並んでました」

ルイーシュが説明すると、案内人はびっくりして、目を見開いた。

「まさか…『青カード』のエサの食堂に行ったんですか?」

…なんだと。

色々と、爆弾発言だぞ。

『青カード』ってのは、非魔導師のみなさんがつけてる青い証明書のことだよな。

それだけじゃない。この人、今「エサ」って言ったか?

人間様の食べ物を、エサ呼ばわり。

信じられん。どういう教育受けたんだ?

「どういう意味です。『青カード』のエサって」

ルイーシュが、冷静に尋ねた。

「言葉通りの意味ですよ…。恐らくその飲食店は、国営の『青カード』専用食堂の一つでしょう。そこでは、『青カード』のエサを提供してるんです。政府公認の許可証が、店の入口に貼られていませんでしたか?」

…どうだったっけ?

あったような、なかったような…。

「ルイーシュ、お前気づいてたか?」

「何か貼ってあったのは見ましたね。ポスターか何かだと思ってましたが…」

マジか。俺は全然気づいてなかったわ。

そんなところまで見てねぇっつの。

< 96 / 328 >

この作品をシェア

pagetop