豹変年下オオカミ君の恋愛包囲網
「ちゃんと立てるわよ。ただちょっとフラフラするだけだってば」
床に手をつけ力を入れようとするが、力が入らずバランスを崩し倒れそうになる。
「ほらっ! 言わんこっちゃない。大人しくベッドで寝なさいって」
物分かりの悪い小さな子供に言い聞かせるように諭され、更に胸のモヤモヤが増していく。
年下のしかも大学生に子供扱いされるって……、きっと馬鹿にされているに違いない。お酒にダラシない女だって思われている。モクモクと立ち昇る反発精神が、どうにかして彼を屈服させてやりたいと訴える。
見てなさい!! ギャフンと言わせてやるんだから!
ふと、彼が言っていたある言葉が頭に浮かぶ。
『童貞だからって振られたんだ。年上の経験豊富な男が良いんだってさ』
彼女に振られた理由をボソッと呟いていたじゃないか。手も出してくれない男なんて嫌だと。
彼女は分かっていたのだろうか?
経験豊富な男なんて、遊んでいるのと同じだということを。
女の扱いが上手く、話上手。確かにそんな男と付き合った方が楽しいに決まっている。お姫様のようにエスコートされ、良い気分にさせるのもお手のモノ。しかし本気になったが最後、ズタズタに傷つけられて捨てられるのは本気になった女の方だ。
気まぐれに囁かれる『愛している』の言葉にすがり、嘘に塗り固められた彼を盲目的に信じてしまう。結果、惨めに捨てられる。
――――、私のように。
目の前の彼は、元彼とは違うのだろう。酔っ払いの女に自分の部屋を与え、自らは出て行こうとしている。優しくて誠実な人。極度のお人好しかもしれない。
元彼がそんな人だったらどんなに良かったか。
彼は童貞だと言うことを恥ているのだろうか?
それが理由で彼女に振られたと言うなら、きっとさっさと捨ててしまいたいに決まっている。世の中には、童貞を捨てるためにプロの店に行く男もいるらしいし。
一夜のアバンチュール……
チンケな小説の一節が脳裏に浮かぶ。
優しい彼のことだ。私が誘えば断りはしない。
きっと、しない……
後で恨まれたとしても、一人残されるのは嫌だ。
もう一人でいたくない。
有りっ丈の力を込めて目の前の彼を押し倒し馬乗りになり笑う。
「――っちょっと!! 待って」
「ふふふ、あまり大人を揶揄うものじゃないわよ。坊や」
目を見開きこちらを見つめる彼の目を見て言ってやる。
「貴方の初めて私にちょうだい」
床に手をつけ力を入れようとするが、力が入らずバランスを崩し倒れそうになる。
「ほらっ! 言わんこっちゃない。大人しくベッドで寝なさいって」
物分かりの悪い小さな子供に言い聞かせるように諭され、更に胸のモヤモヤが増していく。
年下のしかも大学生に子供扱いされるって……、きっと馬鹿にされているに違いない。お酒にダラシない女だって思われている。モクモクと立ち昇る反発精神が、どうにかして彼を屈服させてやりたいと訴える。
見てなさい!! ギャフンと言わせてやるんだから!
ふと、彼が言っていたある言葉が頭に浮かぶ。
『童貞だからって振られたんだ。年上の経験豊富な男が良いんだってさ』
彼女に振られた理由をボソッと呟いていたじゃないか。手も出してくれない男なんて嫌だと。
彼女は分かっていたのだろうか?
経験豊富な男なんて、遊んでいるのと同じだということを。
女の扱いが上手く、話上手。確かにそんな男と付き合った方が楽しいに決まっている。お姫様のようにエスコートされ、良い気分にさせるのもお手のモノ。しかし本気になったが最後、ズタズタに傷つけられて捨てられるのは本気になった女の方だ。
気まぐれに囁かれる『愛している』の言葉にすがり、嘘に塗り固められた彼を盲目的に信じてしまう。結果、惨めに捨てられる。
――――、私のように。
目の前の彼は、元彼とは違うのだろう。酔っ払いの女に自分の部屋を与え、自らは出て行こうとしている。優しくて誠実な人。極度のお人好しかもしれない。
元彼がそんな人だったらどんなに良かったか。
彼は童貞だと言うことを恥ているのだろうか?
それが理由で彼女に振られたと言うなら、きっとさっさと捨ててしまいたいに決まっている。世の中には、童貞を捨てるためにプロの店に行く男もいるらしいし。
一夜のアバンチュール……
チンケな小説の一節が脳裏に浮かぶ。
優しい彼のことだ。私が誘えば断りはしない。
きっと、しない……
後で恨まれたとしても、一人残されるのは嫌だ。
もう一人でいたくない。
有りっ丈の力を込めて目の前の彼を押し倒し馬乗りになり笑う。
「――っちょっと!! 待って」
「ふふふ、あまり大人を揶揄うものじゃないわよ。坊や」
目を見開きこちらを見つめる彼の目を見て言ってやる。
「貴方の初めて私にちょうだい」