豹変年下オオカミ君の恋愛包囲網
 目を覚ませば隣はもぬけの殻だった。窓から差し込む陽の光が身体を包み、少しだけ気分が晴れるような気がした。
 最後まで彼の名前を知ることも、私の名を告げることもなかった。一夜のアバンチュールは心に苦い想いだけを残し終わりを迎えた。
 純粋な彼を傷つけた罪悪感と、騙してまで欲した幸福感を得られぬ絶望を胸に、三十歳を迎えた朝は過ぎていく。
 彼とはもう会うことはないだろう……
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