豹変年下オオカミ君の恋愛包囲網
「鈴香! 今日はどうしたの? 朝からウキウキしちゃって。仕事中もソワソワしてたでしょ。さては、彼氏とデートだな」
就業時間を目前に、隣の席に座る腐れ縁の同期、菊池明日香《きくちあすか》から鋭いツッコミが入る。
「まぁ、それゃそうか! 今日はクリスマスイブだもんね。カップルにとっては一大イベントかぁ。サンタも裸足で逃げ出す、アッつ~い夜を過ごす恋人達が街中にあふれる日だもんね。しかも鈴香誕生日でしょ。彼氏と過ごさなきゃ誰と過ごすんだって感じか」
「はは。想像にお任せしまーす」
「なに!? その乾いた笑い。どうせ私はボッチで寂しいクリスマスですよぉ~」
「何言ってるの。大好きな推しのクリスマス生配信観るって張り切ってたくせに。明日香もそろそろ二次元じゃなくて三次元の男を好きになりなさいよぉ。お互いもうすぐ三十歳なんだから」
「嫌よ。三次元の男なんて気持ち悪い!」
「さようですか。あっ! 定時になった。じゃ行くね」
「こらぁ。逃げるなぁ」
同期の叫びを背中に聴きつつ、駆け足で扉に向かい廊下へ出ると、その足で更衣室へと向かった。
就業時間を目前に、隣の席に座る腐れ縁の同期、菊池明日香《きくちあすか》から鋭いツッコミが入る。
「まぁ、それゃそうか! 今日はクリスマスイブだもんね。カップルにとっては一大イベントかぁ。サンタも裸足で逃げ出す、アッつ~い夜を過ごす恋人達が街中にあふれる日だもんね。しかも鈴香誕生日でしょ。彼氏と過ごさなきゃ誰と過ごすんだって感じか」
「はは。想像にお任せしまーす」
「なに!? その乾いた笑い。どうせ私はボッチで寂しいクリスマスですよぉ~」
「何言ってるの。大好きな推しのクリスマス生配信観るって張り切ってたくせに。明日香もそろそろ二次元じゃなくて三次元の男を好きになりなさいよぉ。お互いもうすぐ三十歳なんだから」
「嫌よ。三次元の男なんて気持ち悪い!」
「さようですか。あっ! 定時になった。じゃ行くね」
「こらぁ。逃げるなぁ」
同期の叫びを背中に聴きつつ、駆け足で扉に向かい廊下へ出ると、その足で更衣室へと向かった。