お と な り


透明のレンズの向こうがわにツンと澄ました白い顔。


あーもう、なに来てんのよ。


思いながら鍵を開ける。



「こまります」



すみやかに扉を開けてそう告げると。



「なにこれ? 開けてよ」



掛けられたドアチェーンを見て、隣人が不満げに一言。



王さまのように凛とした、あ、け、て、と再度口にする隣人の結城。



いやいや、だれが開けるか。




「結城さん、なんの御用ですか?」


「これ開けてくれないと話せない」



開けないと話せない用ってなに?

べつに、さらっと話してくれればいいのに。



ていうか、こんなとこ、万が一にも涼くんに見られでもしたら困る。





「……わかりました。開けるのでどうか手短に」



言うと隣人は口角をゆるっと持ち上げる。


ちゃんとわかってるのかな?


はー、憂鬱なんだけど。



「――で、なんの用ですか?」


「これ」


「――――!」


「わすれもの」



そう言ってかかげられた真っ白なそれはわたしの――



「ブラジャー」


「――!?」



目を丸くして慌てて結城の口を塞いだ。


こいつ、なにを堂々と……!?


だれかに聞かれでもしたらどうするのよ!




< 6 / 6 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

公開作品はありません

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop