もう一度 恋をするなら
「高校生の時みたいに、まっすぐきれいな気持ちかというと、それはわからないけど。ずっと心の奥に眠ってただけで、忘れてなかったんだと気が付いちゃったんだよね……」
もう会えないだろうと思うと苦しくて、心の奥に閉じ込めて出てこないように蓋をしただけだった。いつかは消えたかもしれないその気持ちは、消えるまえに再会してしまった。高校生の弓木くんに向けていた思いが、大人の弓木くんに出会って融合していくような気がした。
たとえ過去の恋に引きずられているだけだとしても、きっとこの恋は本物になる。
友人にこんな気持ちを話すのは、気恥ずかしい。けど真剣に聞いてくれたからこそ、私もちゃんと話さなければと思った。雪ちゃんはにやにや笑っているけども。ちょっと面白がられているような気がしないでもない。
「……うん。よし」
「雪ちゃん?」
「燈子、その気持ち伝えちゃおう」
多分言われるだろうなと思っていたことを、言われてうっと言葉に詰まった。
「でも、だから困ってるんだって。初対面の対応されたってことは、昔の話をされたくないってことじゃないの?」
「そうかもしれないけど、違うかもしれないじゃん。燈子が困ってるように見えてそうしてくれたのかもしれないし」
「……うぅん。そう、かな」
雪ちゃんの言う通りかもしれないが、 すっと目を逸らされた時のショックはなかなか胸に痛かったのだ。反面、昨日助けてくれた時の弓木くんの背中を思い出しては、今度はきゅんきゅんしてそれもまた胸が痛い。
「だからもう複雑なんだってぇえ」
「だからさっさと終わらせて来いって言ってんの、そのこびりついた初恋を!」
「終わらせる⁉ 玉砕しろってこと?」
「どっちになるかは好きって言ってみないとわかんないって言ってんの」
それはそう。うじうじしてても仕方がない。だけど、その、ひとの初恋を『こびりついた』とかカビみたいに言わないでくれないかな……。
「ってか、今の弓木くんに職場で話しかけるのは別の意味で勇気がいるし」
「それはそうよね。いっそのこと昔の友達なんですってバラしちゃったら?」
「紹介しろって殺到しそう。……ってか、まず遭遇するのが難しい」
「連絡先教えてほしいって言ったら、会社の番号もらったって言ってたわ。そんなん院内で調べたらわかるってのに」
「弓木くん、徹底してるなー」
ああ、そうだ。そういうところは以前と違ってて、やはり心配になってくる。傷つくのが怖くてこのまま放置してしまうより、冷たくされてもいいから話しかけるべきだと、きっかけを探そうと急に決心がついた。
その日の夜は雪ちゃんに叱咤激励されながら結局途中からお酒も入り、深夜近くまで飲んでふたりでシングルベッドに並んで寝たのだった。
もう会えないだろうと思うと苦しくて、心の奥に閉じ込めて出てこないように蓋をしただけだった。いつかは消えたかもしれないその気持ちは、消えるまえに再会してしまった。高校生の弓木くんに向けていた思いが、大人の弓木くんに出会って融合していくような気がした。
たとえ過去の恋に引きずられているだけだとしても、きっとこの恋は本物になる。
友人にこんな気持ちを話すのは、気恥ずかしい。けど真剣に聞いてくれたからこそ、私もちゃんと話さなければと思った。雪ちゃんはにやにや笑っているけども。ちょっと面白がられているような気がしないでもない。
「……うん。よし」
「雪ちゃん?」
「燈子、その気持ち伝えちゃおう」
多分言われるだろうなと思っていたことを、言われてうっと言葉に詰まった。
「でも、だから困ってるんだって。初対面の対応されたってことは、昔の話をされたくないってことじゃないの?」
「そうかもしれないけど、違うかもしれないじゃん。燈子が困ってるように見えてそうしてくれたのかもしれないし」
「……うぅん。そう、かな」
雪ちゃんの言う通りかもしれないが、 すっと目を逸らされた時のショックはなかなか胸に痛かったのだ。反面、昨日助けてくれた時の弓木くんの背中を思い出しては、今度はきゅんきゅんしてそれもまた胸が痛い。
「だからもう複雑なんだってぇえ」
「だからさっさと終わらせて来いって言ってんの、そのこびりついた初恋を!」
「終わらせる⁉ 玉砕しろってこと?」
「どっちになるかは好きって言ってみないとわかんないって言ってんの」
それはそう。うじうじしてても仕方がない。だけど、その、ひとの初恋を『こびりついた』とかカビみたいに言わないでくれないかな……。
「ってか、今の弓木くんに職場で話しかけるのは別の意味で勇気がいるし」
「それはそうよね。いっそのこと昔の友達なんですってバラしちゃったら?」
「紹介しろって殺到しそう。……ってか、まず遭遇するのが難しい」
「連絡先教えてほしいって言ったら、会社の番号もらったって言ってたわ。そんなん院内で調べたらわかるってのに」
「弓木くん、徹底してるなー」
ああ、そうだ。そういうところは以前と違ってて、やはり心配になってくる。傷つくのが怖くてこのまま放置してしまうより、冷たくされてもいいから話しかけるべきだと、きっかけを探そうと急に決心がついた。
その日の夜は雪ちゃんに叱咤激励されながら結局途中からお酒も入り、深夜近くまで飲んでふたりでシングルベッドに並んで寝たのだった。