もう一度 恋をするなら
「燈子は、親に振り回されたとは思ってるけど、弓木さんのことは嫌いになったり恨めしく思ったことはないんでしょ?」
「まったくない。会えなくなったことばっかり考えて……でも弓木くんのお父さんのことはよくわからないけど。でも親子仲が良かったから、申し訳ない気持ちの方が大きくて」
「だったら、弓木さんの方も同じじゃない?」
「……そう、かな」
両手を離して、背もたれからゆっくり体を起こす。雪ちゃんを見ると、彼女は力強く頷いていた。
「わかんないけどね、それこそ直後は恨まれてたかもしれないけど」
「うっ……」
「でももう大人でしょ、ふたりとも。その頃まだ高校生の身だったあなたたちに何の責任があるっていうのよ。それはどっちにも言えることだし、だから過去はどうあれ今はそうでもないんじゃない?」
「ほんとにそう思う?」
「思うよ。ただ、その高校生の時の両片思いみたいな感じは、今はどうかわかんないけど」
それを聞いてまた落ち込んで、今度はごんっとテーブルに突っ伏し額をぶつける。落ち込んだ、ということは自分がまだ期待しているのだということにも気が付いてしまい、重ねて落ち込んだ。
「ねえ、燈子」
「んん?」
とんとんと私の後頭部を指で突きながら、雪ちゃんが私に尋ねる。
「燈子は自分の気持ちをどういうのだと思ってるの?」
「……言わなきゃダメ?」
「そりゃダメでしょ。ここまで話しておいて」
くすくすと雪ちゃんの笑う声がする。しばらくじっと動かずにいたけれど、私は観念して顔を上げた。
「……すきなんだと思う、今でも」
「ほんとに?」
念を押すようにもう一度尋ねられて、私は一度目を閉じて深呼吸をした。思い出すのは、去年告白された時に気づいたことだった。
一緒にいて居心地が悪かったわけじゃない。話は楽しかったし、気は合っていたのにすきだといわれたとたんに全部が色あせたような気がした。心の奥に残していた初恋が、今もまだ生きていたことに気が付いたから。
「まったくない。会えなくなったことばっかり考えて……でも弓木くんのお父さんのことはよくわからないけど。でも親子仲が良かったから、申し訳ない気持ちの方が大きくて」
「だったら、弓木さんの方も同じじゃない?」
「……そう、かな」
両手を離して、背もたれからゆっくり体を起こす。雪ちゃんを見ると、彼女は力強く頷いていた。
「わかんないけどね、それこそ直後は恨まれてたかもしれないけど」
「うっ……」
「でももう大人でしょ、ふたりとも。その頃まだ高校生の身だったあなたたちに何の責任があるっていうのよ。それはどっちにも言えることだし、だから過去はどうあれ今はそうでもないんじゃない?」
「ほんとにそう思う?」
「思うよ。ただ、その高校生の時の両片思いみたいな感じは、今はどうかわかんないけど」
それを聞いてまた落ち込んで、今度はごんっとテーブルに突っ伏し額をぶつける。落ち込んだ、ということは自分がまだ期待しているのだということにも気が付いてしまい、重ねて落ち込んだ。
「ねえ、燈子」
「んん?」
とんとんと私の後頭部を指で突きながら、雪ちゃんが私に尋ねる。
「燈子は自分の気持ちをどういうのだと思ってるの?」
「……言わなきゃダメ?」
「そりゃダメでしょ。ここまで話しておいて」
くすくすと雪ちゃんの笑う声がする。しばらくじっと動かずにいたけれど、私は観念して顔を上げた。
「……すきなんだと思う、今でも」
「ほんとに?」
念を押すようにもう一度尋ねられて、私は一度目を閉じて深呼吸をした。思い出すのは、去年告白された時に気づいたことだった。
一緒にいて居心地が悪かったわけじゃない。話は楽しかったし、気は合っていたのにすきだといわれたとたんに全部が色あせたような気がした。心の奥に残していた初恋が、今もまだ生きていたことに気が付いたから。