もう一度 恋をするなら
今日は看護師長が準夜勤で朝は不在なので、朝礼は私が主導になる。この病棟では初めてなので、念には念をというやつだ。
彼女の隣の丸椅子に座ると、横からパソコン画面を見れば昨夜の業務報告を入力してくれていたようだ。入力内容は各自一台ずつ支給されているスマホで確認できるようになっている。
といっても、入力されない細かな事情、状況なんかはやはり会話することで出てくることが多いので、口頭での引継ぎもなおざりにはできないと私は思っている。
「はあ、さっすが。真面目ですねぇ」
呆れたような声に、片方だけ眉を上げる表情。可愛い顔が台無しだ……なんて言ったら倍以上に何か言われそうなので気づかなかったフリをする。
彼女の言い方、いつも若干棘を感じるというか……気のせいかなあ。
いや気のせいじゃないな、多分。
後から来た私が主任で、彼女より上の立場なのが気に入らないのだ。というか、看護主任なんて真面目に勤務実績積めば誰でもつけてもらえる役職だと思うのに、それで苛立たれるのは解せない。
「真面目ってわけじゃないけど……心配性なのよ。何かあった時に、事前に情報持ってないと不安っていうか」
「データも見れるし朝礼でも報告するのに。そういうのって要領が悪いってうかあ」
「そうよねえ。お手間かけさせてごめんね。でもお願いします」
トゲトゲチクチクとくる言葉を、否定せずににっこり笑って受け流す。するとむすっとしつつも、彼女は再びパソコン画面に向き直った。
「もうちょっと待ってください。もうすぐ終わるんで」
「ありがとう」
ちょっと意地悪だけど、それほど悪い子でもないんじゃないかな……と思っている。お願いすれば、文句は言いつつもその通りにしてくれるのでまだマシな方だ。
顔は笑顔を保ちながら、内心でため息をついた。
病院内の異動で同系列の別の病院に異動になるよりは楽なはずだけど、新しい人間関係に慣れるにはもう少しかかりそうだ。
彼女の隣の丸椅子に座ると、横からパソコン画面を見れば昨夜の業務報告を入力してくれていたようだ。入力内容は各自一台ずつ支給されているスマホで確認できるようになっている。
といっても、入力されない細かな事情、状況なんかはやはり会話することで出てくることが多いので、口頭での引継ぎもなおざりにはできないと私は思っている。
「はあ、さっすが。真面目ですねぇ」
呆れたような声に、片方だけ眉を上げる表情。可愛い顔が台無しだ……なんて言ったら倍以上に何か言われそうなので気づかなかったフリをする。
彼女の言い方、いつも若干棘を感じるというか……気のせいかなあ。
いや気のせいじゃないな、多分。
後から来た私が主任で、彼女より上の立場なのが気に入らないのだ。というか、看護主任なんて真面目に勤務実績積めば誰でもつけてもらえる役職だと思うのに、それで苛立たれるのは解せない。
「真面目ってわけじゃないけど……心配性なのよ。何かあった時に、事前に情報持ってないと不安っていうか」
「データも見れるし朝礼でも報告するのに。そういうのって要領が悪いってうかあ」
「そうよねえ。お手間かけさせてごめんね。でもお願いします」
トゲトゲチクチクとくる言葉を、否定せずににっこり笑って受け流す。するとむすっとしつつも、彼女は再びパソコン画面に向き直った。
「もうちょっと待ってください。もうすぐ終わるんで」
「ありがとう」
ちょっと意地悪だけど、それほど悪い子でもないんじゃないかな……と思っている。お願いすれば、文句は言いつつもその通りにしてくれるのでまだマシな方だ。
顔は笑顔を保ちながら、内心でため息をついた。
病院内の異動で同系列の別の病院に異動になるよりは楽なはずだけど、新しい人間関係に慣れるにはもう少しかかりそうだ。