私のお姉ちゃん
“見守る”と言っても、初姫は日に日に朱雨への想いを募らせて、初姫の話す内容も朱雨のことばかりなっていった。

夏姫はそれが嫌で、初姫が話す朱雨の話を避けるようになっていた。

初姫は、日に日に朱雨との関係を深めていく。

そしてこの年のクリスマスが一週間後に迫った頃―――――

「は?泊まる?」

「うん」

「ダメよ、外泊は」

24日に朱雨のマンションに泊まりに行きたいと言われた、夏姫と暁也。

夏姫は、大反対だ。

「どうして?」

「ハツはまだ、高校生なんだよ?
男と外泊なんて、絶対ダメよ!」

「お姉ちゃんだって、外泊してたでしょ?」

「私のことは、どうでもいいの!」

「…………お姉ちゃんはどうして、朱雨くんの話になると不機嫌になるの?」
目を涙を溜めて、訴えるように言う初姫。

「朱雨は、ハツが思ってるような男じゃないの」

「………お姉ちゃんだって、付き合ってたでしょ?
お姉ちゃんは良くて、どうして私はダメなの!?
朱雨くんとの交際も、お泊りも」

「私はケジメを持てって言って―――――」

「もういい!!!」

夏姫を振り切るようにリビングから出ていった、初姫。
自室に鍵をかけ、閉じ籠もってしまった。

追いかけて、何度もノックをして呼びかける。
「ハツ!ハツ!開けて!!」

「嫌!!!
お姉ちゃんとお話しない!!!」

「ハツ!!」

「夏姫、もうやめな。
少し、時間を置こう」
ガンガンドアを叩く夏姫に、暁也が冷静に声をかける。

「どうして!?暁也さんからも言ってよ!」

「夏姫の気持ちはわかる。
でも……“初姫の言うことも一理あるよね?”」

「………」
暁也の言葉に諭されるように、夏姫がドアから手を離した。

「ね?
大丈夫。
とにかく、二人とも冷静になって落ち着いた方が良い」

「………そうね…」
夏姫はポツリと言って、二人はリビングに戻った。


『――――は?出ていく?』

その頃初姫は、朱雨に電話をかけていた。
そして家を出て、朱雨の家に住みたいと言ってきた。

「うん。
朱雨くんの家で内縁の妻をするの。
高校を退学して、朱雨くんの専業主婦する。
もう、お姉ちゃんのお世話にならない!!」

『…………ハツ、今からそっちに行くから。
待ってて?』

初姫を落ち着かせるように言って、朱雨は通話を切った。


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