私のお姉ちゃん
テツロウも、頭が良く優しい男。
しかしかなり臆病な男で、夏姫や朱雨、暁也のことが苦手だ。
学生の頃の三人を知っていて、その頃から関わらないように避けている。
実際。
今でもたまに会ったりするのだが、なかなか挨拶をしてくれない。
なので初姫は“テツロウさんに嫌われてる”と思っている。
そんなある日。
いつもの買い物を終え、ベンチでテイクアウトのコーヒーを飲みながら休憩していた。
ボーッとしていると、見覚えのある人を見つける。
「あれ?
テツロウさん?」
挨拶をしようとして、躊躇する。
“嫌われてる”と思っているからだ。
どうしようかと迷っていると、テツロウがこちらに気づく。
「あ…初姫ちゃん」
「あ…こ、こんにちは!」
「一人?」
初姫の周りをキョロキョロする、テツロウ。
「え?はい」
頷くと、ホッと肩を撫で下ろしたテツロウ。
初姫に近づいてきた。
「買い物?」
「はい」
「結構、あるね(笑)」
「あ、できる限り纏めて買うようにしてて」
「そっか。
じゃあ、送るよ!
僕、車で来てるし」
「え?でも…
悪いです」
(きっと、優しいテツロウさんのことだ。
いくら私のこと嫌いでも、その優しさで気を遣ってるんだ!)
そう思った、初姫。
首を横に振り「大丈夫です」と微笑んだ。
しかし、テツロウは袋を取り「行こ?」と、少々強引に行ってしまう。
慌てて初姫は、テツロウを追いかけた。
初姫は助手席から、隣で運転するテツロウを見つめ考えていた。
“どうして、嫌いな相手にここまでするのだろう”と。
(んー、嫌いでも普通はここまでしないよね?
てことは、嫌いなわけではない?のかな?)
「初姫ちゃん、何?」
あまりにもジッと見つめているので、視線を感じているテツロウが前を見たまま言ってきた。
「………テツロウさんは、本当に優しいですね…!」
「え?」
「私、テツロウさんに嫌われてるって思ってたので」
「嫌い?
え?どうして?」
「だって、避けられてる感じがしてたので…」
「え?あ、あぁ…
初姫ちゃんのことは、避けてないよ?
むしろ…///////」
「え?」
「ううん!
とにかく避けてなんかないし、嫌いなんかじゃないよ!」
ちょうど赤信号で止まり、初姫を見て微笑む。
初姫も嬉しそうに「良かった〜」と笑った。
「……//////」
その表情があまりにも可愛くて、テツロウは照れたようにはにかんだ。
しかしかなり臆病な男で、夏姫や朱雨、暁也のことが苦手だ。
学生の頃の三人を知っていて、その頃から関わらないように避けている。
実際。
今でもたまに会ったりするのだが、なかなか挨拶をしてくれない。
なので初姫は“テツロウさんに嫌われてる”と思っている。
そんなある日。
いつもの買い物を終え、ベンチでテイクアウトのコーヒーを飲みながら休憩していた。
ボーッとしていると、見覚えのある人を見つける。
「あれ?
テツロウさん?」
挨拶をしようとして、躊躇する。
“嫌われてる”と思っているからだ。
どうしようかと迷っていると、テツロウがこちらに気づく。
「あ…初姫ちゃん」
「あ…こ、こんにちは!」
「一人?」
初姫の周りをキョロキョロする、テツロウ。
「え?はい」
頷くと、ホッと肩を撫で下ろしたテツロウ。
初姫に近づいてきた。
「買い物?」
「はい」
「結構、あるね(笑)」
「あ、できる限り纏めて買うようにしてて」
「そっか。
じゃあ、送るよ!
僕、車で来てるし」
「え?でも…
悪いです」
(きっと、優しいテツロウさんのことだ。
いくら私のこと嫌いでも、その優しさで気を遣ってるんだ!)
そう思った、初姫。
首を横に振り「大丈夫です」と微笑んだ。
しかし、テツロウは袋を取り「行こ?」と、少々強引に行ってしまう。
慌てて初姫は、テツロウを追いかけた。
初姫は助手席から、隣で運転するテツロウを見つめ考えていた。
“どうして、嫌いな相手にここまでするのだろう”と。
(んー、嫌いでも普通はここまでしないよね?
てことは、嫌いなわけではない?のかな?)
「初姫ちゃん、何?」
あまりにもジッと見つめているので、視線を感じているテツロウが前を見たまま言ってきた。
「………テツロウさんは、本当に優しいですね…!」
「え?」
「私、テツロウさんに嫌われてるって思ってたので」
「嫌い?
え?どうして?」
「だって、避けられてる感じがしてたので…」
「え?あ、あぁ…
初姫ちゃんのことは、避けてないよ?
むしろ…///////」
「え?」
「ううん!
とにかく避けてなんかないし、嫌いなんかじゃないよ!」
ちょうど赤信号で止まり、初姫を見て微笑む。
初姫も嬉しそうに「良かった〜」と笑った。
「……//////」
その表情があまりにも可愛くて、テツロウは照れたようにはにかんだ。