私のお姉ちゃん
対抗〜初姫 side〜
私は、お姉ちゃんや暁也さんのことが好きだ。

二人ともしっかりしてて、優しくて、頼りがいもある。
私がどんなにおバカでも、いつも優しく見守ってくれる人達。
パパとママみたいに大切な人達。

でもやっぱり、朱雨くんが一番大好きだ……!

そしてお姉ちゃんもきっと、朱雨くんのことが好きなんだと思う。
お姉ちゃんは暁也さんのお嫁さんだけど、本当は朱雨くんのお嫁さんになりたかったんだと思う。

だからお姉ちゃんは同居を結婚の条件に出し、私が朱雨くんとラブラブしていると怒るんだ。


今日は土曜日。
朱雨くんがお休みなので、朝からベッドでゴロゴロしながらまったりと過ごしている。

ちなみにお姉ちゃんと暁也さんは、お仕事中。

「ハツ、そろそろ起きようか?」
朱雨くんが、私の頭を撫でて言った。

「やだ!
今は、朱雨くんにべったりくっつく時間なの!」
もっとくっついていたくて、ワガママを言う私。

「うーん…お腹すいたな。
あ、たまには俺に作らせて?」

「………
わかった!起きる」
朱雨くんの困ったような表情に、申し訳なくなって頷いた。

でもやっぱりなんだか淋しくて、キッチンでお昼ご飯を作っている朱雨くんに後ろから抱きついた。

さすがに鬱陶しいかなって思ったけど、朱雨くんは嫌がるどころか「ほんと、可愛い!」と文句一つ言わず優しく微笑んでくれていた。
「もうすぐ出来るからね!」

ダイニングテーブルに並ぶ、美味しそうなオムライスとスープ。
「いただきます!」

「どうぞ?」

「…………ん!美味しい!
すっごく美味しいよ、朱雨くん!」

「良かった!
でも、ハツが作ってくれるオムライスには敵わないけどね!(笑)」

オムライスを頬張って微笑むと、朱雨くんも嬉しそうに笑った。

「そんなことないよ…
朱雨くんは、スパダリだもん!」

「そう?(笑)
そんなことないけどな!」

「だから、お姉ちゃんも……」

「ん?ナツ?ナツが何?」

「ううん!
…………朱雨くん」

「ん?」

「これ以上、カッコ良くならないで?」

「え?」

「朱雨くんは、私の旦那さんだからね!?」

「………??」


じゃないと……お姉ちゃんが益々惚れるでしょ……?


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