私のお姉ちゃん
朱雨くんとお姉ちゃんは、元恋人同士だからなのか、性格が似ているからなのか……

意見がよく合う――――――


それから暁也さんが帰ってきて、四人で外食に出掛けることになった。

暁也さんの車に乗り込むと、暁也さんが「何食べようか?」と言った。

すると、朱雨くんとお姉ちゃんが「ハツ、何が食べたい?」と声を揃えて聞いてきた。

あ……声、揃った……
どうして?
やだやだ、お揃いは私がいい!

そんな思いで「何でもいいよ」と言った。

「うーん…どうする?暁也さん」

「僕も、特にないんだよね(笑)
だったら、ファミレスにしようか?
色々あるでしょ?」

暁也さんがそう言うと「ハツ、ファミレスでい?」と、また朱雨くんとお姉ちゃんが声を揃えて聞いてきた。

もう!!なんで!!?

なんだか話すのも嫌で頷くと、暁也さんが「ほんっと、夏姫と朱雨は仲良いね〜妬けるなぁ(笑)」と笑いながら発進させた。

20分程で、ファミレスに着く。
お店の中は満員で、店員さんに「そちらにお名前を書いてお待ち下さい」と言われる。

待合の椅子が、一人分あいているのを見つけた。

また朱雨くんとお姉ちゃんに、仲良く声を揃えて話しかけられないように、私から声をかける。
「あ…お姉ちゃんそこ、あい………」

「「そこ、あいてるよ。
ハツ座りな!」」

「………」
朱雨くんとお姉ちゃんに、またまた声を揃えて言われた。

もう!嫌!!!

私は無言で朱雨に抱きついた。

「ハツ?」
「どうしたの?」
朱雨くんとお姉ちゃんが、顔を覗き込んできた。

「座らない…朱雨くんと立つ…」
私は朱雨くんの胸に顔を埋めて、首を横に振った。

「じゃあ、夏姫が座りな」
暁也さんの声が背後で聞こえて、お姉ちゃんの「そうね」と言う声が聞こえてきた。

「朱雨くん。
おトイレ行きたいから、前まで付いてきて?」

とにかく、朱雨くんをお姉ちゃんから離したい!
そんな思いで、朱雨くんの手を取り引っ張った。

「いいよ」

手を繋いで、奥のおトイレに向かった。
「ここにいてね。
お姉ちゃんとこに行かないでね?」

「え?ナツ?
大丈夫だよ、ここにいるから!」

言い聞かせるように言うと、朱雨くんが頭をポンポンと撫でて微笑んだ。

そしてちょうど戻ると、名前を呼ばれ席に移動した。

二つあるメニュー表をそれぞれ見る。
「ハツ、どれにする?」

「朱雨くんと同じの食べる」

私も、お揃いがいい!!

「俺?
俺は、ステーキにしようと思ってるんだけど…
ハツには多くないかな?
ここの、結構ボリュームがあるし…」

「やだ!!
朱雨くんと同じがいい!!」

「わかった!
じゃあ……あ、これは?
ピザとパスタをシェアしよう!」

「うん、そうする」

私の子どもみたいなワガママに嫌な顔一つせず、朱雨くんは微笑んだ。



< 21 / 50 >

この作品をシェア

pagetop