私のお姉ちゃん

“お姉ちゃんも大好き。
…………でも……
お姉ちゃんのこと、大嫌いです”

どうゆう意味なんだ……?

暁也は自宅に帰りながら、ずっとこの言葉を意味を考えていた。


自宅に帰り着き、中に入ると………

「「暁也さん！！」」
朱雨と夏姫が、駆け寄ってきた。

「無事に駅まで送ったよ」

「「良かった…」」

「………」
ホッと肩を撫で下ろす朱雨と夏姫を、意味深に見つめる。

「ん？」
「暁也さん？」

「今日の夜は、三人で飲みに行かない？」

「「え？」」

「初姫のことだ。
“何かあっても”連絡なんかしないよ、きっと。
だから、飲んでも平気でしょ？
明日は僕達みんな休みだし、何も問題ないよね？」

「………」
「………」

なぜだろう。
言葉や声色、口調…全て穏やかで優しいのに、有無を言わさぬ雰囲気が漂っていた暁也。

朱雨と夏姫は、ゆっくり頷いた。


それから、朱雨が仕事に出掛け………

夏姫が窺うように、暁也に声をかけた。
「…………暁也さん」

「何？」

「なんか…怒ってる？」

「ううん。どうして？」

「なんとなく、怖いから…」

「そう？
あ！今日の飲みに行く話だけど、平祐やリツエ・ダイト夫妻も呼んだから。
みんなで、パーッと飲もうね！」

「え？あ…えぇ…」

そして朱雨が仕事から帰って、三人は居酒屋に向かった。
平祐、リツエ、ダイトと六人でテーブルを囲み、乾杯をする。

「久しぶりだね、このメンバーで飲むの！」
暁也が、煙草を吸いながら微笑んだ。

「そうですね！」
「一時期、この六人でよく飲んでたっすもんね！」
「そうね(笑)」
平祐、ダイト、リツエも微笑む。

「その頃は、夏姫は朱雨と付き合ってたよね」

そして、暁也が意味深に言った。

その言葉に、朱雨が表情を変える。
暁也を鋭く睨みつけ、言った。

「暁也さん、今朝から何ですか？」

「何？」

「なんか、俺とナツに喧嘩売ってません？」

「まさか！(笑)」

「じゃあ、嫉妬？」

「そうだね(笑)
嫉妬はしてるね。
僕と………初姫もね！」


「…………は？」