私のお姉ちゃん
「朱雨くん、受け取ってくれたよ!」
初姫から報告を受けた、夏姫。
満面の笑みで伝えてくる初姫を、素直に喜べない。
「お姉ちゃん?」
「どうして朱雨なの?」
「どうしてそんな事言うの?
お姉ちゃんの元彼だよ?
よく知ってるでしょ?」
“よく知ってるからだ”
“有澤 朱雨”という男を、よく知ってるから不安で不満なのだ。
クールと言えば聞こえは良いが、冷たくて興味がある事にしか情を持てない。
頭も良くて賢いが、人を上手く利用し思い通りに動かす狡猾な男。
そして、朱雨の美しい容姿とミステリアスな雰囲気に騙される人間も沢山見てきた。
だから夏姫は、そんな朱雨とはいつも一歩引いて接していた。
傷つかないように。
ピュアで、少しおバカさんの初姫。
そんな初姫が騙されないとも限らない。
「――――何、話って?」
後日夏姫は、朱雨を呼び出した。
「ハツのことよ」
「だから、何?
手短にね。
今日は、ハツとデートなんだ!
恋人になってから初めてのデートだからね。
色々準備したいし」
「ハツは、私のたった一人の大切な妹なの」
「うん、わかってるよ」
「……………どうして、ハツなの?」
「は?」
「どう見ても、朱雨のタイプじゃないでしょ?
ピュアで、ちょっとおバカな天使」
「タイプ…ではないね。確かに」
「それとも、騙しやすそうだから?」
「は?冗談はやめてよ。
ハツにはそんなことしない」
「じゃあ、どうして?」
「“好きだから”
それしかない」
「………」
「強いて言うなら。
“初めて、心を揺さぶられたから”かな」
「心?」
「うん、心」
「初めてなんだ。
ほら、よく言うだろ?
好きな人を想うと胸が痛いとか、会えるとドキドキするとか、会うと離れたくなくなるとか、またすぐに会いたくなるとか。
そうゆうの、俺にはないと思ってた。
でもハツに出逢った瞬間から、その気持ちが痛い程わかるんだ。
こんなに心を動かされたの、初めてだよ……!」
「………」
「だからね。
絶対に、放さないよ。
…………何があっても、絶対に……!」
朱雨の力強い視線と言葉が、夏姫に突き刺さっていた。
初姫から報告を受けた、夏姫。
満面の笑みで伝えてくる初姫を、素直に喜べない。
「お姉ちゃん?」
「どうして朱雨なの?」
「どうしてそんな事言うの?
お姉ちゃんの元彼だよ?
よく知ってるでしょ?」
“よく知ってるからだ”
“有澤 朱雨”という男を、よく知ってるから不安で不満なのだ。
クールと言えば聞こえは良いが、冷たくて興味がある事にしか情を持てない。
頭も良くて賢いが、人を上手く利用し思い通りに動かす狡猾な男。
そして、朱雨の美しい容姿とミステリアスな雰囲気に騙される人間も沢山見てきた。
だから夏姫は、そんな朱雨とはいつも一歩引いて接していた。
傷つかないように。
ピュアで、少しおバカさんの初姫。
そんな初姫が騙されないとも限らない。
「――――何、話って?」
後日夏姫は、朱雨を呼び出した。
「ハツのことよ」
「だから、何?
手短にね。
今日は、ハツとデートなんだ!
恋人になってから初めてのデートだからね。
色々準備したいし」
「ハツは、私のたった一人の大切な妹なの」
「うん、わかってるよ」
「……………どうして、ハツなの?」
「は?」
「どう見ても、朱雨のタイプじゃないでしょ?
ピュアで、ちょっとおバカな天使」
「タイプ…ではないね。確かに」
「それとも、騙しやすそうだから?」
「は?冗談はやめてよ。
ハツにはそんなことしない」
「じゃあ、どうして?」
「“好きだから”
それしかない」
「………」
「強いて言うなら。
“初めて、心を揺さぶられたから”かな」
「心?」
「うん、心」
「初めてなんだ。
ほら、よく言うだろ?
好きな人を想うと胸が痛いとか、会えるとドキドキするとか、会うと離れたくなくなるとか、またすぐに会いたくなるとか。
そうゆうの、俺にはないと思ってた。
でもハツに出逢った瞬間から、その気持ちが痛い程わかるんだ。
こんなに心を動かされたの、初めてだよ……!」
「………」
「だからね。
絶対に、放さないよ。
…………何があっても、絶対に……!」
朱雨の力強い視線と言葉が、夏姫に突き刺さっていた。