遠距離恋愛でも繋ぎ止めておきたい天然彼女が可愛いすぎる
松平くんの件は詩織の体重が戻ってからは初日ほど注意も受けなくなり、それどころじゃなくバタバタと遠征に行ってしまったからイライラもおさまっていた。
なんなら全日本のコーチに松平くんの方がたくさんの注意を受け落ち込んでいたほどだ。
練習終わりに松平くんからまた食事の誘いがあり22時までならと言ってファミレスに行った。
ハンバーグセットを頼み、食べながら遠征の事を少し話すと
「あのさ、噂で聞いたんだけど……」
「噂?」
「その…婚約?」
あぁ……先輩か後輩が話したのかな?
ロッカーで指輪を外すから先輩や後輩達にはすぐに見つかり婚約しましたとチームメイトには報告済みだった。
今日は少し肌寒くて長袖のジャージを萌え袖にしていたから指輪は見えていなかった。
詩織は左手の袖をまくった。
「婚約したよ」
松平くんに見せた。
「じゃあ実家に帰ったのは…」
「もちろん親に会わせたかったからだよ」
「本当だったんだ」
声には力がなく少し聞こえずらかった。
「噂っていうか、普通に練習前に指輪を外すからみんな知ってるだけだよ」
「俺ら同期じゃん、飲み会した時に青木は彼氏いるって言ってたけど、江藤は言ってなかったからいないと思ってて…」
「でも、いるともいないとも言ってないよ」
「…そうだったのかな…」
松平くんは考えていた。
「確認なんだけど、オリンピック目指すんだよな?」
「もちろん(笑)」
詩織は明るく笑った。
「結婚はお互いのいい時にする予定だけど、婚約って結婚の約束をしたって事でしょ、だから婚約期間が短くなるか、何年先かもわからないけど、お互いの親に会ったのよ」
「賛成だった?そのまだ22歳じゃん、早すぎるとか言われなかった?」
松平くんはだんだん目線を合わせなくなった。