遠距離恋愛でも繋ぎ止めておきたい天然彼女が可愛いすぎる

「そんな事言うなよ、心配なんだからさ」

「大丈夫だよ、左手だし、部活も出来る」

赤崎くんは詩織の肩に手を回してポンポンとしてくれた。

保健室に先生は居なくて赤崎くんはベッドの方に向かった。

「やだ」

「みんなが頑張ってる時に何もしねえから」

ベッドに座らされて体操服を脱ぐように言われた。

「血落としてくるよ」

「あっ、でも部活のTシャツに変えても…」

「教室にある?」

「ごめん、更衣室だ」

「女子更衣室に入れないだろ」

「だね…あっ、怜奈に持ってきてもらうし」

「青木は詩織の代わりに試合に出てる」

「そっか…」

布団を被せてくれて脱いでと言われた。

布団の中でゴソゴソと脱ぎ慶太に渡した。

「あの、血液は水じゃないと落ちないから」

「お湯じゃだめなんだな」

「うん、お願いします」

カーテンを閉めて慶太は出ていった。



しばらくして戻ると詩織は寝ていた。

「何で寝れるんだよ、全くおもしれー(笑)起きろ詩織」


詩織はびっくりして飛び起きた。

「あっ…」

もちろん上半身は下着姿だ。

「はぁ…また俺に胸を見せるし、脱ぐときにも見ればよかった、布団で隠してやったのにさ」

「ちがっ、びっくりして…」

詩織に体操服をポンと投げて慶太はカーテンから出ていった。

怒ったよね…寝ちゃうなんてきっと呆れたよね。


「着たか?」

「…うん」

「手出せ」

左手を持って消毒と爪を切ってくれた。

「ありがとう…あの怒ってる?」

「いや、怒ってないよ、でもさ…運命かなって思うよ、裸の付き合いじゃね?何かおかしくて笑っちまうよ」

慶太はテーピングを巻いてくれて、また変えてやるからなと綺麗に指に巻いてくれた。
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