遠距離恋愛でも繋ぎ止めておきたい天然彼女が可愛いすぎる
午後から女子バスケットの競技が行われ準決勝が終わった時に慶太はボールに血がついてるのを見つけた。
「江藤?」
詩織は振り向いた。
「手、痛くないか?見せてみ」
詩織は右手を出した。
「反対(笑)」
「えっ?」
「詩織、怪我してるよ、体操服にも血がついてる」
怜奈も見つけてくれた。
「気づかなかった」
慶太は左手の中指を見た。
「痛くないか?誰かティッシュない?」
「私持ってるから濡らしてくる」
怜奈が走ってくれた。
「爪が割れてるな、痛いだろ」
大きな手で詩織の手を握ってくれている。
「バスケットボールって痛いから怪我してるの気づかなかった」
「ハハハッ、そっか」
怜奈から濡れティッシュを受け取りゆっくり周りを拭いていく。
「慎吾、決勝戦の指示出しを頼む、保健室に行ってくる」
「俺が連れて行こうか?慶太が指示を出した方がいいんじゃないか?」
しばらく2人で話が始まり、詩織は1人で体育館を出た。
体育館とグラウンド、柔剣道場から声援がしていたがそこから一番遠い校舎に入るととても静かだった。
「詩織!」
静かな校舎に声が響いて詩織の体はビクッとなった。
「びっくりしたぁ」
「気づいたらいないし」
「赤崎くんが決勝の指示出してあげればいいなと、的確だし、保健室くらい1人で行けるよ、子供じゃないもん」