遠距離恋愛でも繋ぎ止めておきたい天然彼女が可愛いすぎる
2人は保健室を出て体育館に戻ると試合は終わったところだった。
「負けたんだ…私が赤崎くんといたから」
「それは違うよ、詩織が怪我した時点で想定内だった、相手はバスケ部に入っていない中学までの経験者がいたんだよ」
「経験者……」
「もう1クラスのスポーツ科が負けて決勝に上がってきてたんだよ、まあ、仕方ないよ」
「ごめんなさい」
「あっ、詩織〜大丈夫だった?」
怜奈が寄ってきてくれた。
「うん、ごめんね」
「めっちゃ上手い人がいてね、勝てなかったよ、仕方ない」
「ごめん…ね」
詩織の目には溢れるものがあった。
「やだ、詩織のせいじゃないから、泣かないで」
「楽しかったよ、詩織泣くな」
他のメンバーからも心配されて詩織のせいじゃないよと言ってくれた。
慶太は慎吾と体育館をそっと出た。
お風呂から戻ってくると赤崎くんからLINEが入っていて、
“お風呂からでたら休憩コーナーに来て、ちゃんと下着をつけてくること!“
なんだろう…
詩織は休憩コーナーに行くと赤崎くんを見つけた。
ラケットを持っている。
「これ、ありがとう」
「うん、優勝おめでとう」
「俺、頑張ったよ?」
「凄かった(笑)」
詩織の左手を持ちテーピングを外した。
「痛いか?」
「大丈夫」
慶太はテーピングを巻き終わってもいつまでも詩織の手を離さない…