遠距離恋愛でも繋ぎ止めておきたい天然彼女が可愛いすぎる
やっぱり天然?
次の日の昼休みに詩織と怜奈は食堂にいた。
「怜奈はさ、その…好きな人とかいるの?」
「今はいないかな〜、何?好きな人が出来たの?」
「よくわかんないんだけどね、付き合おうって言われた、どうしよう、どういうのが好きって事なのかな」
下を向いてモジモジしているのだ。
何?詩織がいつもより可愛いんだけど?
「それは赤崎?」
詩織が顔を上げた。
「えっ、何でわかるの?」
「前からそうなのかな〜って思ってたんだけど、クラスマッチの時に詩織を追いかけて行ったからやっぱり好きなんじゃないかなって」
「それだけでわかるものなの?」
たいした怪我じゃないのに走っていったのは結構びっくりしたよと言われた。
「あと、席が前後じゃん?詩織に反応して笑ってたりしてたからなんとなくねー」
「そっか…」
怜奈は声を潜めて詩織に言った。
「あのさ、赤崎の元カノがこの高校にいるのは知ってる?」
「し、知らない」
「普通科なんだけどね、赤崎のファンには結構知られていて……詩織は恋愛に興味がないから言わなかったけど一応伝えておくね、でもあまり気にしないで、赤崎から告ったんでしょ?」
詩織は頷いた。
「大丈夫、自信もってね、仲良くしてね」
「……うん」
夜、部屋で詩織は考えていた。
元カノかー、きっと可愛いんだろうな
付き合いも慣れてるだろうし、キスだってすぐにしてきたもんな……
知らない人を気にしたって仕方ないのにね、元カノさんを気になるのは…私が赤崎くんの事を気になり始めてるって事なのかな
考えながらも「まっ、いっか、わからない時は寝る」と詩織は眠りについた。