遠距離恋愛でも繋ぎ止めておきたい天然彼女が可愛いすぎる
「詩織の天然不足なんだよな、笑うことが減っていく…不安なんだ、それがプレーにも出てる、日本ではいいけど向こうじゃ通じない」
膨らんだ詩織の頬を優しく触る。
「慶太くん…じゃあちょっとバカみたいだけど聞いてね」
「うん」
「…私ね、赤崎詩織になりたいの」
撫でられていた手が止まった。
「やっぱりいい、ごめんなさい、変な事を言って……あー、恥ずかしい」
詩織は慶太から離れて布団を被った。
しばらく2人は動けなかった。
静かな慶太が気になり布団からちらっと目を出して見てみると目が合った。
慶太は詩織の上に乗り布団ごと持ち上げた。
「やめて、ごめんて」
慶太は布団を抱えたままベッドから降りて布団を取り、裸の詩織にバスローブを着せた。
慶太もバスローブを着て自分のポーチを開け、中から小さな箱を出した。
「酔って忘れるところだった、あっぶね」
箱を開けるとシンプルなシルバーリングだった。
「慶太くんは、学生だよ、指輪なんて高いもの…」
「安いんだよ、でも形あるものが欲しくて次に会ったら渡そうかと思ってた」
箱から出して左手の薬指にはめてくれた。
さすがに裸で渡すのもなと少し照れてバスローブを着せてくれたみたいで…
「ちょっと大きいか?」
「大丈夫かも、入らないよりはいいかな、よくサイズがわかったね」
詩織は指輪を出し入れして確かめている。