遠距離恋愛でも繋ぎ止めておきたい天然彼女が可愛いすぎる
嘘?

「赤崎と会ったの?」

「今、私の家にいる…」

「はぁ、ホテルにいないわけだね」

「でも慶太くんがそんな嘘をつく必要はある?」

今までだってこの4年間会えないのが普通だったのに…

全日本には毎年選抜はされていたしその度に帰国してたのもいつも通りなのに…

「何かあったのかな…慶太くんらしくないよね」

「まあ、詩織の家にいるのなら良かったよ、慎吾には言っておく」

「川辺くんにもごめんて言っといて」

「詩織が悪いんじゃないからそこは気にしなくて大丈夫よ、じゃあ」

怜奈との電話を切ると急いで仕事場へ向かったのだった。


自分の席に座るとカランと高い金属音がして制服のポケットから指輪が落ちた。

やばっ、ポケットに入れてたんだ。

「江藤さん、会議室の準備をお願いできるかな?」

「あ、はい」

急いで指輪を机の引き出しに入れ、会議室に向かった。

「江藤さん、椅子が足りないよ、あとお水のペットボトルもまだ?」

「はい、すみません」


昼休みにバドミントン部の仲間と食事を取っている間も慶太くんの事を考えていた。

確かに慶太くんの様子はおかしかった。

まず、飲酒、あとヤキモチを妬いたり、泣いたり、寂しいとか……寂しいなんて今まで聞いたこともなかった。

この間の試合も勝って嬉しそうだったのに……私に話せないのかな


「詩織、ぼーっとしない、行くよ」

「あ……うん」


仕事が終わり練習着に着替えると怜奈に電話をした。
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