遠距離恋愛でも繋ぎ止めておきたい天然彼女が可愛いすぎる
友達?
「どうぞ」
松平くんは色紙を悠里に渡した。
「そういえば青木さん、結婚したね」
「まあね、よく知ってるね」
「そりゃSNSとか見てるからね」
あの…と松平くんが悠里に話しかける。
「俺も投稿してもいいかな?」
「是非〜お店の宣伝お願いします」
「松平くん、料理だけにしてね、私の名前は出さないで」
詩織は松平くんに少し焦った口調で言った。
「わ、わかった」
「慶太とさ……」
「ちょっと来て!」
詩織は悠里の腕を引っ張って席を立った。
「慶太くんの名前を出さないで」
「隠してるの?別れたの?遠距離だから」
「別れてないし!……でも今は慶太くんが大事な時期だから…そこはわかってあげてよ」
詩織は両手を合わせてお願いをした。
悠里の事をあまり知らないからなるべく慶太くんの事も隠したい。
「ふん、わかったわよ、何だ続いてるんだ…、男と来たから別れたのかと思った」
「今日はちょっと特別なの、言えないのよ色々とね、情報漏らすとかダメだから本当はSNSもやめて欲しいけど……9月終わりなら全然大丈夫なんだけど」
「9月か……まあ仕方ないわね、別にあなたに意地悪するつもりもないし、私も今は店を頑張ってるからさ」
初めて悠里の笑顔を見た。
「ありがとう」
「東京に出てきたばかりで知り合いがいなくて結構寂しかったんだー、来てくれてありがとう」
「えっ、うん……びっくりした、お礼言われるとは」
「私も社会人ですから(笑)もう高校生のガキじゃないんで…10月にインスタのDMに送るから載せてもいいか返事頂戴」
「わかった」
詩織は座席に戻った。