暁に星の花を束ねて
「第七防衛圏……?」
「国家級封鎖区画だ! 通常の衛星監視も、社内追跡網も届かない!」
「ログが残らない……意図的にそう設計された区画!」
戦術解析主任が、重く息を吐きながら口を開いた。
「そこに入れる人物は、限られています。
CEOクラス、国家連携を持つ軍事権限者、特別アクセスキー保持者、ごく少数の運用者です」
そして。
極東第七防衛圏は証拠を残さず消せる。
囮座標が廃施設。
本命は、捜索が最も困難な絶対隔離圏。
そこなら佐竹蓮は誰にも辿り着けない。
片岡は拳を握る。
(これは消すための計画的な死角)
怒りを押し殺し佐竹の教えに従う。
冷静に、正確に。
片岡は全チャネルを開き、戦略側の全責任を引き受ける声で命じた。
「影班、第五陣。極東第七防衛圏へ全速出動。
殲滅装備、戦略仕様フルパック。
奪還対象はただ一人。
戦略統括本部長 佐竹蓮」
影班隊員が椅子の音ひとつ立てず立ち上がる。
金属音だけが、戦場の始まりを告げた。
片岡は端末を握り、深く息を吸う。
(部長……おれは、もう転んだ新人ではありません)
胸奥には、確かにあの声が生きていた。
『転べ。だが、立ち上がり方を覚えろ』
片岡は静かに目を細める。
「必ず、連れ戻します。佐竹部長」
その誓いは揺らぐことなく、
戦場の静寂に溶けていった。
「国家級封鎖区画だ! 通常の衛星監視も、社内追跡網も届かない!」
「ログが残らない……意図的にそう設計された区画!」
戦術解析主任が、重く息を吐きながら口を開いた。
「そこに入れる人物は、限られています。
CEOクラス、国家連携を持つ軍事権限者、特別アクセスキー保持者、ごく少数の運用者です」
そして。
極東第七防衛圏は証拠を残さず消せる。
囮座標が廃施設。
本命は、捜索が最も困難な絶対隔離圏。
そこなら佐竹蓮は誰にも辿り着けない。
片岡は拳を握る。
(これは消すための計画的な死角)
怒りを押し殺し佐竹の教えに従う。
冷静に、正確に。
片岡は全チャネルを開き、戦略側の全責任を引き受ける声で命じた。
「影班、第五陣。極東第七防衛圏へ全速出動。
殲滅装備、戦略仕様フルパック。
奪還対象はただ一人。
戦略統括本部長 佐竹蓮」
影班隊員が椅子の音ひとつ立てず立ち上がる。
金属音だけが、戦場の始まりを告げた。
片岡は端末を握り、深く息を吸う。
(部長……おれは、もう転んだ新人ではありません)
胸奥には、確かにあの声が生きていた。
『転べ。だが、立ち上がり方を覚えろ』
片岡は静かに目を細める。
「必ず、連れ戻します。佐竹部長」
その誓いは揺らぐことなく、
戦場の静寂に溶けていった。