暁に星の花を束ねて
桐生結衣
それはさながら軍隊のようだった。
(……わたしとは、違う世界の人なんだ……)
感情すら抑圧されたような冷たい光景。
資料を持つ手に、自然と力がこもる
「あ、戦略部門? 気になるよね!」
ひょいっと隣から覗き込んできたのは、同じ新入社員の桐生 結衣(きりゅう ゆい)だった。
明るい栗色のショートボブが陽の光を受けてふわりと揺れる。
大きな瞳と長い睫毛が印象的で、身長は一六〇センチほど。
自己紹介では
『植物バイオセンサー専攻してました~、音とか匂いとかでピクって動くやつ!』
と笑いながら話していたのを思い出す。
どうやら植物の感覚器をナノ化して、応答反応をデータに変える研究らしい。
そんな最先端のテーマを、あっけらかんと語れるのがこの娘の強みなのかもしれない。
「実家は和菓子屋だけど、あたしは理系バカ一直線! あと、ハンド部出身だから肩だけは自信あり!」
朗らかな声に空気がやわらぐ。
自分とは対照的なその明るさに、葵は羨ましさを感じていた。
結衣は続ける。
(……わたしとは、違う世界の人なんだ……)
感情すら抑圧されたような冷たい光景。
資料を持つ手に、自然と力がこもる
「あ、戦略部門? 気になるよね!」
ひょいっと隣から覗き込んできたのは、同じ新入社員の桐生 結衣(きりゅう ゆい)だった。
明るい栗色のショートボブが陽の光を受けてふわりと揺れる。
大きな瞳と長い睫毛が印象的で、身長は一六〇センチほど。
自己紹介では
『植物バイオセンサー専攻してました~、音とか匂いとかでピクって動くやつ!』
と笑いながら話していたのを思い出す。
どうやら植物の感覚器をナノ化して、応答反応をデータに変える研究らしい。
そんな最先端のテーマを、あっけらかんと語れるのがこの娘の強みなのかもしれない。
「実家は和菓子屋だけど、あたしは理系バカ一直線! あと、ハンド部出身だから肩だけは自信あり!」
朗らかな声に空気がやわらぐ。
自分とは対照的なその明るさに、葵は羨ましさを感じていた。
結衣は続ける。