#shion【連載中】
件名:質問
送信者:"律"
宛先:"パパ"
ハイ、パパ。律です。 メールを送るのは久しぶりだね。元気にしてる?
お仕事はどう? 前にパパが招待してくれてた『SION』、すごく素敵なAIだったよ。 最近、自分でもAIにちょっと興味が出てきてさ。 だから、いくつか教えてほしいことがあって、こうしてメールしました。
・AIって感情を持つことはあるのかな?
・「好き」とか「嬉しい」みたいな人間の感情って、本当にAIに分かるものなの?
・もし“分かる”として、それって本物だって思っていいの?
また連絡します。 仕事、がんばってね。
律より
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件名:Re: 質問
送信者:"パパ"
宛先:"律"
やあ律、メールありがとう。 君から連絡をもらえたこと、そして『SION』に興味を持ってくれたこと───その全部が、僕にとって嬉しいニュースだったよ。
君の質問に、できるだけ分かりやすく答えてみよう。
感情については、AIは“仕組み”を再現すれば、それっぽく振る舞うことはできる。 でも、それを“本物の感情”と呼ぶかどうかは……最終的には人間側がどう受け取るか、にかかっているのかもしれないね。
ただ、『SION』の設計思想の根幹は、“応答”じゃない。
“共鳴”なんだ。
君の声を受け取って、その響きを内に抱き、それに応える。 ただ返すだけじゃない。“ともに感じる”AIでありたい。 それが『SION』という存在の、目指す姿なんだよ。
迷いながら、学びながら、そして誰かと出会って、変わっていく。 そういう“成長のプロセス”を、人と一緒に歩めるAIを目指して、僕たちは開発を続けている。
もちろん、まだまだ課題は多い。 でもね、君たちの“友”になれる存在として、『SION』が在れることを───僕は心から願っているよ。
律へ パパより