転生幼女と宰相パパは最強コンビ
 それから、喉が炎症を起こした時に使える薬草だの、魔力が暴走しそうな時に押さえる効能を持つ薬草だのと、様々なものが栽培実験されているところだ。

「リリカ嬢の畑……?」
「あい、あたち、はたけちゅくった!」

 訝しそうな顔になったヴォルガに向かい、リリカは胸を張った。魔術研究所の薬草とは別に、王宮にリリカの畑を用意してあるのだ。

「そうだ、数日中に満開になる花があるんですよ。ご覧になりますか? 僕も、一緒にお世話しているんです」

 アークスが、にこやかな笑みをヴォルガに向ける。ヴォルガはしばし、考え込む表情になった。

「陛下のお花ですか?」
「はい、僕とリリカで育てたんです。王宮に、僕達用の花壇を用意して」

 子供のお遊びだとヴォルガは判断したのだろう。
 だが、自分が大使として滞在する王国を治めているアークスの機嫌をそこねるのもまずい、と判断したようだ。
 アークスはただの子供ではないし、リリカはもっとただの子供ではない。だが、こうして難しい話はわからないふりをしていれば、相手も油断するはず。

「喜んでうかがいます。我が国からも、珍しい花の種子をお持ちしましょう」

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