転生幼女と宰相パパは最強コンビ
 もし、リリカの懸念が現実のものとなったとして。偽の報告書を魔術研究所に置いておけば、それを本物だと信じ込むだろう。

「まかちぇて。なにかいたらいいか、かんがえゆ」

 リリカがにやりとする。愛らしいのだが、今の表情はよろしくない。
 そっと手を伸ばして頭を撫でると、リリカは首を傾げた。

「パパ、なあに?」
「……今のは、ちょっと悪い顔だったな。アークスには見せられない」
「なんでしゅと!」

 慌てた様子で、自分の頬に手をやっている様子がおかしくて、ついくすくすと笑ってしまう。
 そういえば、先ほどの泣いた演技も傑作だった。あんなにも、子供じみた行動をリリカがするなんて。
 笑ってから、こんな風に笑ったのはいつぶりかと思ったけれど――いつだったのか、イヴェリオ自身にも思い出せない。

「でも、玉ねぎはよくありませんよ……」
「もうやらない、マーシャ。こんかいはとくべちゅ」

 さすがにウソ泣きはできなかったため、マーサに玉ねぎを切ってもらって涙を流したそうだ。そこまでやるとは驚きである。

「うん、あの演技は傑作だった。あんなリリカが見られるとはな」
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