転生幼女と宰相パパは最強コンビ
「ちょ、パパ! あれはわしゅれて! わしゅれてくだしゃい!」
「さて、どうするか。忘れるのは無理そうだな――」
「だめだってばあ!」

 馬車の中で、あせった様子を見せるのも愛おしい――なんて言ったら、リリカは笑うだろうか。
 いつの間に、こんなに大切な存在になったのだろう。イヴェリオ自身、その答えを持ち合わせてはいなかった。


 * * *



 今日は、リリカとアークスの育てた花の鑑賞会である。
 客人を迎え入れる前に、リリカはアークスの執務室で準備ができるのを待つことにした。
 部屋に通されたリリカは、椅子に座って足をぶらぶらとさせている。座り心地のいいソファだが、大人用なので、リリカには大きいのである。

「ねえ、リリカ……資料ってどうなったの?」

 アークスが真顔で問いかける。彼には、詳しいことは話していない。
 魔術研究所の資料はいったん引き上げた。トワに預けたら、どこかに隠してくれた。
 どこに隠したのかは知らないが、精霊が隠したのだから、ヴォルガが手(て)練(だ)れの魔術師をこの国に連れてきたところで、発見するのは難しいだろう。

「あたち、にしぇものつくった」
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