転生幼女と宰相パパは最強コンビ
 リリカがちょっぴりわがままなお子様であり、イヴェリオはそれを許す駄目な父親、アークスは子供で何もわかっていないとヴォルガに思ってもらうための行動なので、それでいいと言えばいいのだが。
 リリカとアークスが仲良く遊んでいる間、イヴェリオとヴォルガも穏やかに話し合っていた。

「リリカ、ここにトワを描こうよ」
「あい、かきましゅ!」

 アークスがスケッチブックの開いている空間を示し、リリカはそこに茶色の丸を描き加える。頭ではしっかりトワの特徴を思い出しているはずなのに、手がまったくついてこない。きれいな丸を描くのも大変なのだと改めて思い知らされる。

「薬草の栽培は、やはり難しいでしょうか?」
「夜鳴草については非常に難しいですね。魔術研究所だけではなく、契約農家にも研究を手伝ってもらっているところですが――今日の視察で不明な点が出たら、遠慮なく聞いていただければ」

 最初のうちは、いちいちリリカの行動に目を見開いて感心して見せたヴォルガも、すぐにリリカへの興味を失ったようだ。イヴェリオと熱心に話し込んでいる。
 どこまで進んでいるのか、ベルザール王国側は把握していないに違いない。
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