転生幼女と宰相パパは最強コンビ
 こちらから見えるのは、ヴォルガの話し相手の後姿だけ。今回、視察に同行した人の中にはいなかったと思う。
 ヴォルガがこちらに顔を向けたので、小さくなった。見えていないはず。大丈夫だ。

「どうした?」
「誰かが、そこにいる気がするんだ」

 階段の方へヴォルガが歩いてくる。

(やばい、見つかった? トワ!)

 姿を見せたトワの背中に乗ると、一気に階段を駆け降りる。精霊なので、足音がしなくてよかった。

「……気のせいか」

 三階まで降りたところで、ヴォルガの声が聞こえてきて、胸を撫でおろした。

(眠くなくなった……!)

 ただでさえ眠気がなくなっていたのに、こんな風に衝撃的な事件にあってしまったら、ますます眠れなくなってしまう。

「……リリカ」

 トワに扉を開いてもらってそっと中に入ったら、向こう側に立っていたイヴェリオと目が合った。ちょうど、扉を開こうとしていたようだ。
 リリカを見たとたん、彼はホッとしたようにその場に座り込む。

「どこに行っていたんだ? 勝手に、外に行っては駄目だろう」

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