転生幼女と宰相パパは最強コンビ
 なにしろ、前世の記憶持ちである。前世と現世の年齢を合わせれば立派なアラサー。二十代前半のイヴェリオよりもお姉さんなのだ。
 そう言って、胸を張ると、イヴェリオはますます申し訳なさそうな表情になった。

「……そうなのか?」

 そう言えば、前世の話はしたけれど、年齢の話はしていなかったような。

(困ったなぁ……)

 イヴェリオに、そんな顔をさせたいわけではなかった。リリカの精神は丈夫だから、そこまで気を使わなくてもいい。

「……パパ?」
「お姉さんなら、パパとは呼ばないだろうに」
「……むぅ」

 それを言われてしまうと弱い。頭を働かせることについては、イヴェリオと対等にやり合えると思う――たぶん。少なくとも、リリカが得意とするジャンルならば。
 けれど、体力はまだ三歳児相当だし、集中力が続かないこともある。書類を眺めながら寝落ちてしまい、気がついたらベッドやソファに移動させられているのもしょっちゅうだ。

「……だけど、パパ」
「せっかく、二回目の人生を授かったんだ。子供らしくしたっていい――説得力が、ないな」
「……しょうともいう」

< 209 / 265 >

この作品をシェア

pagetop