転生幼女と宰相パパは最強コンビ
 もし、この国が普通の状況だったなら、と考えてみる。
 イヴェリオやアークスがこんなに必死に働かなくてもいい状況だったなら。きっと、リリカも普通の子供としてふるまったのではないだろうか。
 この国が、大変だということを知ってしまった今、何もしないでいるなんてできなかった。

「あたちは、このくにがしゅき。だから、できりゅことをしゅるの」
「今日は、午後に昼寝だけではなく外遊びの時間も取ろう」
「あしょばせようとしているな……?」
「マーサが、子供には遊びも必要だと言うからね。マーサが言うのなら、彼女の忠告に従った方がいい」

 イヴェリオも、マーサには頭が上がらないようだ。そして、たしかに子供にはたっぷり身体を動かして、ゆっくり昼寝をする時間も必要だ。


 視察のあと、ヴォルガには監視がつけられていた。
 夜中、誰かと会っていたらしいというリリカのつぶやきを、イヴェリオは無視しなかったのだ。ヴォルガには追跡に長けた見張りがつけられ、彼がどこに行こうがしつこく追っていたそうだ。

「……これは、なんだと思う?」
「なに、これ」

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