転生幼女と宰相パパは最強コンビ
 ベルザール王国が、関係しているわけではなさそうだ。どうやら、ヴォルガは独自に『闇の商人団』と連携しているらしい。

「パパ、はやくちゅかまえてくれる?」
「……もちろん」

 子供達の引き渡しは明日。残された時間は少ないが、ベルザール王国側に引き渡される前に、子供達を救出したい。
 イヴェリオがあわただしく部屋を出て、隣のアークスの執務室に向かう。部屋に残ったリリカは、クッションを抱えてソファに転がった。
ちょっと休憩のつもりが、つい自分の運命と捉えられている子供達のことを考えてしまう。
 任されたのは、ベルザール王国に関する書類だけではない。三歳児の力を借りねばならないほど、この国は余裕がないのだ。休むのは少しだけ。
 イヴェリオに助けてもらった恩義も忘れてはいない――だからこそ、急がねばならないのに、身体がついてきてくれない。

(……違うな。ついてきてないのは、心だ)

 この世界に生まれ落ちて、最初に覚えているのは薄暗い部屋と狭いベッド。
 おむつが濡れて、お腹が空いて。
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