転生幼女と宰相パパは最強コンビ
気持ち悪くて泣いても、誰も来てくれなかった。時間になったら、ミルクを与えられて、その時ついでのようにおむつも替えられて。
 愛情なんて、欠片も与えられなかった。死ななければそれでいい――リリカの扱いは、そんなものでしかなかった。
 イヴェリオがリリカを引き取って最初の頃も扱いは変わらなかった――彼にしてみれば、面倒を押しつけられただけでしかなかったのだろう。
 リリカに愛情を注いでくれたのは、マーサやローゼス。それから、その他の使用人達。
 イヴェリオの屋敷で生活するようになってから、愛情を与えられ、少しずつ、前世と今回の人生の折り合いを付けられるようになった。

(――だけど)

 今は、幸せに暮らしている。
 イヴェリオに愛されて。
 けれど、それが偶然の産物でしかないこともちゃんと知っていた。運がよかったから救出されて、運がよかったから引き取られただけ。
 暗号解読の結果を信頼するならば、今でも多数の子供が捉えられている。
彼らも今頃、あの時のリリカと同じような状況に置かれているだろう。

(……うん、こんなことをしている場合じゃないな)

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