転生幼女と宰相パパは最強コンビ
 ――でも。
 それだけでは、足りないかもしれない。
 犯罪に巻き込まれた被害者は、心に大きな傷を負う。
 悪夢を見てうなされたり、見知らぬ人を警戒したりするだろう。親にもぎこちない態度になってしまうかもしれない。
心の傷をひとりで癒すのはきっと難しい。大人の手がきっと必要になる。
 前世の知識があるとはいえ、専門家ではないリリカの知識がどこまで役に立つか。でも、リリカにできるのは知識を提供することだけだから、思い出せる限りのことは伝えよう。
 子供達が落ち着いたところで、リリカはイヴェリオと共に、アークスに会いに行った。彼は自分の執務室で、今日も朝から仕事をしていた。

「アーク、みんな、いっちょのへやにちてくれてありがと!」
「友達がいなくなったら、きっと寂しいだろうから。それに、知らない場所でひとりきりだったら怖いと思って」
「アークは、おとこまえ」
「……そう?」

 これが、十二歳で国を治めているからこその心配りなのだろうか。リリカに同じことをやれと言われても困ってしまう気がする。

「イヴェリオが言ったようにしただけなんだけど」
「おとこまえなのは、パパだった!」

< 239 / 265 >

この作品をシェア

pagetop