転生幼女と宰相パパは最強コンビ
 濡れた身体を乾かしてもらう間も、イヴェリオはリリカの側から離れられなかった。
 守れなかった。守ると決めたのに、守れなかった。
 それなのに、まだ「パパ」と呼んでくれる。
 正直に言ってしまえば、これまで『パパ』と呼ばれることに違和感があった。
 アークスの命令で引き取った当初は戸惑うこともあった。だが、今はその言葉が、不思議と自然に耳に馴染んだ。
 リリカに愛されていることを、愛していることをこの瞬間、悟った気がする。


 すぐに温かくしたはずなのに、翌日になってリリカは発熱してしまった。
 やらねばならぬことは多いのに、リリカの眠るベッドを離れるのがつらい。
 純粋に一人の父親として、子を案じる気持ちとは、こういうものなのだろうか。
 額に手を当て、体温を確かめる。あまりにも何度も同じことをするので、付き添っていたマーサはあきれた様子だった。

「旦那様、そんなにすぐにお熱は下がらないのですよ」
「だがな、マーサ」
「マーサにお任せくださいませ。微熱ですもの。すぐによくなります」

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