転生幼女と宰相パパは最強コンビ
 水に飛び込もうとするイヴェリオを、誰かが背後から羽交い絞めにした。その腕から抜け出し、一歩踏み出したところで、別の誰かに止められる。

「離せ! リリカが!」

 最初から、リリカを同行させるべきではなかった。
 あんなに小さいのに、こんな危険な場所に連れてくるべきではなかった。だが、リリカの真剣な目に折れてしまった。
『もしかしたら、トワの力が必要になるかも』というアークスの言葉も、決断を後押しした。
 なんて愚かだったのだろう。リリカもアークスも、本来ならばまだ守られなければならない子供だったのに。
 騎士達を振り切り、自ら水に飛び込んでリリカの小さな身体を救いあげる。ぷは、と息を吐き出す音がして、生きているのだと安堵した。

「リリカ――リリカが、いなくなると思ったら、私は、私は……」
「パパ!」

 自分の声が、こんなに弱く感じられたことがあっただろうか。
 抱いた身体は、冷たくて、小さくて――それなのに、こちらを見る目はキラキラとして、生命力に溢れている。

「パパ、しゃみゅい」
「誰か、リリカを乾かしてやってくれ」

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