転生幼女と宰相パパは最強コンビ
 どうやら、リリカという名前を与えられたことで、屋敷の人達にもずっとここにいるのだと認識されたらしい。マーサとの距離が、以前より近くなった気がする。

「まーしゃ!」
「はい、リリカ様」
「どーじょ」

 今は、「どうぞ」の練習だ。
 ずっと寝ているか、ずりずり這うぐらいしかなかったのだが、ようやく長時間座れるようになってきた。
 ガラスに映った顔を見る機会があったけれど、前世と同じ黒い髪に黒い目だった。この屋敷に黒髪黒目はいないが、この国全体で珍しいかどうかは知らない。
 ぱっちりお目々にまぁるいほっぺた。ふくふくの手にちっちゃな爪。自分で見てもめちゃくちゃ可愛い赤ちゃんである。

「リリカ様、お手々はおいしいですか?」
「……はうっ!」

 こちらに向けられているマーサの目が優しいからまだいいものの、とってもとってもいたたまれない。
 心は二十七歳だというのに、気がついたら手を口に入れているのだ。当然、よだれでべしょべしょ。おもちゃもべしょべしょだ。
 あと、地味に歯茎が痒(かゆ)い。歯が生え始めているそうで、噛んでも問題のないおもちゃが多数用意された。

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