転生幼女と宰相パパは最強コンビ
(……本当に、このままでいいのかなー)

 不本意なのだが、身体は完全に赤ちゃんの習性に従っているようだ。
 気がつけば、おもちゃをかじって痒い歯茎をなだめている。痒いのぐらい我慢できると思っていたのに。

「どーじょ」
「ありがとうございます」

 精神年齢的に、どうぞの練習で飽きるかと思っていたら、そんなこともなかった。小さな手はおもちゃを掴むのに慣れていなくて、取り落とすことも多い。
 上手にマーサに渡せただけで嬉しくなってしまうのだから、単純なものだ。ぱちぱちと手を打ち合わせる。

「ぱ、ぱ、ぱ、ぱ」
「旦那様は、今日は遅くなるそうですよ」

 今日は、ではなく今日も、が正解だ。
 リリカを引き取ってくれた人が、イヴェリオ・アストレイアという名であること。二十二歳だということ、リリカを正式に養女にしてくれたことは理解した。
 まだ、婚約もしていないのに一児の父である。
 この世界の人の美しさの基準が、前世日本人だったリリカと同じであれば、間違いなく美青年ではある。だが、いくら美青年でも一児の子持ちという段階で、縁遠くなってしまうのではないだろうか。
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