転生幼女と宰相パパは最強コンビ
 そこで、リリカの散歩コースに、リリカが好きだと言った花を植えてくれることにしたようだ。

「ほぁ……あいあと!」

 本当はとても嬉しかったのに、上手に言葉にできない。ドミに、この感情をどうやって伝えたらいいだろう。

「あいあと! ノニ!」

 ぎゅっとドミの膝に抱き着けば、ドミは照れたように笑う。

(……幸せだなぁ)

 こうして、公爵家で暮らせて幸せ。リリカは、自分が幸せであると改めて自分に言い聞かせた。


 その日の夜。
 リリカは、マーサに本来の寝室で休むようお願いした。
 舌足らずで話を通すまで時間がかかってしまったのだが、最終的にはなんとか理解してもらえた。さすが、マーサである。

「本当に、おひとりで大丈夫ですか?」
「あい」

 リリカに寝間着を着せたマーサは、まだ不安そうな顔をしていた。
 ベッドに横になったリリカは、ぱっちりと目を開いている。

「お部屋を暗くするんですよ?」
「あい! あいじょぶ!」
「怖くありませんか?」
「……あい」

 少し、時間がかかってしまった。
 前世では一人暮らしだったし、問題はないはずだ。
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