転生幼女と宰相パパは最強コンビ
 正面きって問われると、少し怖いような気もしてきてしまうけれど、きっと大丈夫だ。

「リリカ様がそうおっしゃるのでしたら……怖かったらこのベルを鳴らしてくださいね」

 マーサのベッドは、まだこの部屋に置いたままだ。何かあったら、すぐに駆けつけられるようにしているのだろう。

「うむ」

 ベッドに横になったリリカは、重々しく頷いてみせる。それでマーサの気が楽になるのなら、いくらでも頷こうというものだ。

「……お休みなさいませ」

 部屋を暗くしたマーサは、廊下へ続く扉を開く。心配そうに、もう一度こちらを見てから扉を閉じた。
 室内の明かりは、いつもよりもやや明るめに設定されているようだ。

(……大丈夫なのに)

 マーサがせっせと外遊びに連れ出し、ドミやローゼスやメイド達も遊んでくれるからか、昼間にしっかりと身体を動かしている。
 このまま、朝までぐっすり眠れればいいけれど。
 ふわ、と欠伸(あくび)をして、リリカは目を閉じたのだった。


 目を開いた時には、あたりは薄明かりがさしていた。ちょうど、夜が明けたぐらいの時間だろうか。
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