転生幼女と宰相パパは最強コンビ
(前世の記憶に、使えそうなものがあればいいんだけど……)
前世で働いていたのは図書館。貴重な古文書に触れる機会もあった。解読は専門外ではあったものの、ある程度中身も把握していた。
なにしろ、リリカの前世の姿である茜は、かなりの乱読派だったので。
書物から得た多数の知識はあるが、その知識が実際に使って役だつかどうかというところまではわからない。
この世界の文化水準がどの程度のものなのかも今のところ把握しておらず、お世話になっているお礼をできる日はだいぶ先になりそうだ。
「……あ」
顔を上げたリリカは、瞬(まばた)きをする。
なんだろう。このところ、視界の隅に丸い玉のようなものがちらちらするようになったのだ。
目がおかしくなったのだろうかと考えてみるけれど、リリカの知識の中にある病気には関係なさそうだ。
「あのね、マーシャ」
「どうかなさいました?」
マーサに声をかければ、慌てて笑みを浮かべる。
彼女にも、だいぶお世話になってしまった。この世界で身よりのないリリカを、とても大切にしてくれている。
前世で働いていたのは図書館。貴重な古文書に触れる機会もあった。解読は専門外ではあったものの、ある程度中身も把握していた。
なにしろ、リリカの前世の姿である茜は、かなりの乱読派だったので。
書物から得た多数の知識はあるが、その知識が実際に使って役だつかどうかというところまではわからない。
この世界の文化水準がどの程度のものなのかも今のところ把握しておらず、お世話になっているお礼をできる日はだいぶ先になりそうだ。
「……あ」
顔を上げたリリカは、瞬(まばた)きをする。
なんだろう。このところ、視界の隅に丸い玉のようなものがちらちらするようになったのだ。
目がおかしくなったのだろうかと考えてみるけれど、リリカの知識の中にある病気には関係なさそうだ。
「あのね、マーシャ」
「どうかなさいました?」
マーサに声をかければ、慌てて笑みを浮かべる。
彼女にも、だいぶお世話になってしまった。この世界で身よりのないリリカを、とても大切にしてくれている。