転生幼女と宰相パパは最強コンビ
いまだに舌が回らなくて、彼女の名前を正確に呼べないのが申し訳ないと思うこともある。
隙を見て、口周りや舌を動かしているのだけれど、舌足らずな口調が直るには、もう少し時間がかかりそうだ。
「あたちのめ、おかちい」
「目? 目がどうかなさいましたか?」
「キラキラちてて、まりゅいのがずっとみえるの。おいしゃしゃん、いく?」
前世の知識からすると当てはまる病気はなさそうだ――とは思ったけれど、知識があるだけで医師ではない。
それに、この世界ならではの病気という可能性もある。マーサに声をかけたら、彼女は顎に手をやり、思案の表情になった。
「キラキラしていて、丸いものですか……ちょっとお待ちください」
ローゼスにリリカを任せておいて、一度マーサは部屋を出ていく。
どうしたのだろうと思いながら、タルトの残りを口に運ぶ。添えられているのは、お茶ではなくて牛乳だ。
牛乳も、味が濃くて美味しい。この屋敷では、特に品質のいい牛乳を作っている農家と契約しているそうだ。
「リリカ様、もしかしてそれはこのようなものでは……?」
戻ってきたマーサの手には、革張りの立派な本があった。
隙を見て、口周りや舌を動かしているのだけれど、舌足らずな口調が直るには、もう少し時間がかかりそうだ。
「あたちのめ、おかちい」
「目? 目がどうかなさいましたか?」
「キラキラちてて、まりゅいのがずっとみえるの。おいしゃしゃん、いく?」
前世の知識からすると当てはまる病気はなさそうだ――とは思ったけれど、知識があるだけで医師ではない。
それに、この世界ならではの病気という可能性もある。マーサに声をかけたら、彼女は顎に手をやり、思案の表情になった。
「キラキラしていて、丸いものですか……ちょっとお待ちください」
ローゼスにリリカを任せておいて、一度マーサは部屋を出ていく。
どうしたのだろうと思いながら、タルトの残りを口に運ぶ。添えられているのは、お茶ではなくて牛乳だ。
牛乳も、味が濃くて美味しい。この屋敷では、特に品質のいい牛乳を作っている農家と契約しているそうだ。
「リリカ様、もしかしてそれはこのようなものでは……?」
戻ってきたマーサの手には、革張りの立派な本があった。