転生幼女と宰相パパは最強コンビ
 ページをめくったマーサは、その中に描かれていた絵を示す。

「しょれ、にてゆ!」
「……これは、精霊が見えているということですね」
「――なんと!」

 マーサの精霊という言葉に、ローゼスが素早く反応した。いつもはもの静かなのだが、珍しくぐいぐいとこちらに身を乗り出してくる。

「なるほど! 旦那様から、リリカ様には精霊使いの素質があるとは聞いていたのですが……こんなに早く精霊が見えるようになるとは」

 言われて思い出す。
 そう言えば、リリカが『闇の大商人』の拠点にさらわれたのは、精霊使いの素質があるからだった。
 精霊使いとしての素質があったとしても、実際に精霊と契約ができるか否かというのは、時間をかけてみないとわからないそうだ。
 イヴェリオはリリカの力が悪用されることを恐れて保護をした。だが、こんなに早く精霊が見えるようになったケースは少ないらしい。

「あたち、しぇいれいとけいやく、すゆ!」
「焦らなくてもよろしいのですよ。まずは、リリカ様が健やかにお育ちになることが大切なのですから」
「……むぅ」

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